旧ユーゴの旅10 – プリトヴィツェ湖群国立公園 後編

後半は滝を。

この付近の水質は石灰岩が多いらしく、レンズに飛沫がかかるとすぐに水垢のようになるので、プロテクトフィルタは必須。カメラ好きの方々は注意されたし。滝の写真はPhosohopで加工しているので、コントラストが際立った絵になっている。

プリトヴィツェ湖群国立公園はとても広く、見どころも豊富なので、ゆっくり自然を味わいたい場合は近隣に宿を取るのが望ましい。我々は翌日スプリットに向かう予定を立てていたので、プリトヴィツェには宿泊せずにザグレブに戻った。次回ここを訪れる機会に恵まれたら一泊してゆっくりぶらぶらしたい。

プリトヴィツェの自然を満喫し、帰りのバス停に向かう道すがら、ふと道端のベンチに目をやると黒いスマホが。観光客の誰かが忘れて行ったものに違いない。公園の管理事務所に届けた方が良かろうということで、イトー奥さんがスマホを拾う。少し進むと、前方から血相を変えた若い女性が人の流れに逆行しながら走ってきた。我ら3人とも直感的にこの人だろうと。イトー奥さんがその女性にスマホを差し出すと、眉毛をハの字にして「オー、センキュー!」と。旅の途中で端末を無くすと、残りの旅程が暗いものになる。無事、持ち主の元へ返すことができて良かった。

プリトヴィツェ湖群国立公園の滞在時間はおよそ4時間くらいだった。この日は特にトラブルに遭遇することもなく、無事に帰りバスにのることが出来た。夕暮れ時、バスに揺られながらクロアチアの美しい田園風景を満喫。日が暮れてからのことはあまり記憶に無い。もしかすると、疲れて寝てしまったのかも。


旧ユーゴの旅9 – プリトヴィツェ湖群国立公園 前編

プリトヴィツェ湖群国立公園には、16の湖と92の滝が存在する。あまり全景を押さえた写真がなくて残念だが、まるでファイナルファンタジーの世界に迷い込んだかのような風景。

公園のゲートでチケットを買おうとすると、スタッフのおばちゃんが「券売所はあっちですよ」と指をさす。見ると、少し離れたところに鉄骨の建物が。斜面を登り建物の中へ入ると2つほどカウンターが。先客が何グループかいたが、程なくして我々の番。チケット係の女性が「家族関係の人はいますか?」と尋ねてくる。「この2人は夫婦ですが、僕は彼らの友人です」というと、「ふーん、じゃああなたも家族ということにして、割引してあげますよ」と。何と優しい!

1991年のクロアチア独立紛争時、この地で最初の武力衝突が勃発。第二バス停の近くには最初の戦死者Josip Jović氏を称えるモニュメントが建っている。ボスニア紛争については何冊か本を読んだが、クロアチア紛争についてはあまり良く知らない。こんなに美しい場所で激しい戦闘が繰り広げられたとは。地雷もたくさん埋設されていたそうな。

湖は透明度が高く、写真のように水中の魚もはっきり見える。もしここを訪れるなら10月中旬がおすすめ。青い湖と紅葉がとても良い。

ザグレブのバスターミナルからプリトヴィツェまで3時間弱。かなりの距離だが、クロアチアに来たら必ず寄りたい観光名所。途中、ラストケ村という綺麗な小さな村に寄る案もあったのだが、時間の都合で割愛。Youtubeにラストケ村の案内動画が幾つか上がっているので是非観ていただきたい。

【INFO】
バス : ザグレブ – プリトヴィツェ湖群国立公園